バンクーバーの聖火台広場ジャック・プール・プラザにある奇妙なシャチの像。どこから写真を撮っても、ここだけ解像度が低くなったみたいに写るデジタル・オルカ。2009年、新国際会議場のオープン記念に設置されて以来、人気の記念撮影スポットです。

Douglas Coupland 009

作者はウェストバンクーバー在住のダグラス・クープランド氏。グランビルアイランドにあるエミリー・カー美術大学で彫刻を学びましたが、小説家、劇作家としても世界的に知られています。

1980年代に札幌の北海道芸術デザイン専門学校でも学んだことがあるとか。

彼の作品を初めて大規模に紹介する展覧会 everywhere is anywhere is anything is everythingバンクーバー・アートギャラリーで開催中なので、ちょっとのぞいてきました。

Douglas Coupland 010

会場に入った途端に視界に飛び込んでくるのは、尋常ならざる数のモノ、モノ、モノ。どれもが整然と彩り美しく並べられていますが、ひとつひとつをよく見ると、日常使っているテープカッターだったり消臭剤の容器だったり。

Douglas Coupland 001

陳列されているモノには日本製が多くて、東横インとか美味しい牛乳とか、日本人にはすごく懐かしい感じ。日本文化を知っているクープランド氏と日本生まれの私たちにだけわかる暗号が散りばめられていて、なんだか愉快。

日本人のツボに一番はまるのは、ありとあらゆる液体洗剤の容器の陳列。よくぞこれだけ集めて、カナダにまで持って帰ってきたものです。

Douglas Coupland 002

赤や黄や青の原色があふれて雑然としそうなのに、すべてが感性で計算されたように並んでいて、ひとつでも順番を変えたら美のバランスが崩れてしまいそうなほど緊張感があります。

Douglas Coupland 005

デジタル・オルカの延長線上にあるようなレゴの作品群も見応えがありました。未来都市のようであり、そのまま東京のようでもあり。100個のレゴハウスは、1969年にクープランド氏が買ってもらった最初で最後のレゴセットを再現。際限なく増殖する日本の新興住宅地のようにも見えます。

Douglas Coupland 003

高校の卒業アルバムの写真にべったりと絵の具がかかって流れ出しているのは、Pop Heads という作品。ティーンエイジャーの頭の中が情報でいっぱいになって流れ出し、視界も失われて道を見失っているような。

21世紀のスローガンと名付けられた作品も、情報過多や思考過多の現代を表しているみたい。I miss my pre-internet brain.(インターネット以前の脳が懐かしい)とか共感できるものもたくさん!

Douglas Coupland 004

ジェネレーションXなどの新語を生んだ現代作家らしく、気づきと皮肉に富んだ言葉が会場の壁いっぱいに並んでいるのは壮観。自分に響くスローガンを探して、熱心に読んでいる人がたくさんいました。

Douglas Coupland 006

カナダの女流画家エミリー・カーやアーティスト集団グループ・オブ・セブンの有名作品を徹底的に抽象化した作品も秀逸。それぞれの元の作品がわかれば、あなたは相当なカナダ好き。

ホッケーやドリームキャッチャー、先住民族アートなど、カナダ的なモチーフをふんだんに盛り込んだキルトも素敵。この作品のある部屋は壁が白木で、いかにもカナディアーナな雰囲気にあふれています。

Douglas Coupland 007

2時間たっぷりかけて見て回ったら、屋根裏部屋にあるおもちゃ箱みたいなクープランド氏の頭の中をのぞいた気がしました。

写真は撮り放題なので、ポップな壁を背景に自分撮りしてる人も♪ 通常の入場料は$20ですが、火曜日の17〜21時は寄付だけで入れるので、気軽に足を運んでみてくださいね。

ウェブサイト:Vancouver Art Gallery

Googleマップ

更新:2014年6月30日

LINEで送る

Comments are closed.

Post Navigation