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Ten Thousand Villages
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![]() ![]() ブロードウェイ店 ![]() 自然素材の製品が並ぶ店内 ![]() 珍しい民族楽器の数々 ![]() パイナップルジャムと マンゴジャム $8.00(340g ) |
クリスマスの頃には、店内がさらににぎやかになる。布に金糸で刺繍したツリー飾りはインド製。赤や緑でペイントした小さな木彫りの人形は南米から。オリーブの木で形作られたキリスト降誕場面は、はるばるヨルダン川西岸から運ばれてきたもの。どれもひとつずつ手間暇かけて丁寧に作られたものばかり。 誕生日やクリスマスにプレゼントを選ぶ時、私たちは贈る相手のことを考える。どんなものだったら喜んでくれるだろうか。この色なら気に入ってくれるだろうか……。では、そのプレゼントを作った人のことは? どんなところでどんな人が作っているのか。ひとつ作ったらその人にはいくら支払われるのか。大量生産、大量消費の流れの中で、それは見失いがちな視点。
1970年、エドナの家の地下室で続けられていたこのささやかな活動は、メノナイト中央委員会の正式プロジェクト Self Help として認められ、彼女の手を離れる。寄付を集めて発展途上国に送るのではなく、その国の人々が経済的に自立できるように、技術を磨かせ支援するというのが活動趣旨。1996年には非営利団体テン・サウザンド・ビレッジズと名称を改め、開発途上国30カ国の生産者グループと連携し、フェア・トレードの精神をより強調した活動になった。北米にある180以上の店舗の運営にはボランティアが携わっている。
フェア・トレードとは公正な売買を意味する。先進国に住む者にすれば、そんなのは当たり前と思いがちだが、実際に私たちが手にする安い輸入品の多くは、労働者の基本的人権を踏みにじるようにして作られたものが少なくない。 実際に私が皮革製品の専門商社で働いていた時のこと。新製品の開発と製造を請け負ってくれる会社を探して、現地社員と中国南部の工場をいくつか回った。重苦しく蒸れた空気をかき混ぜる送風機がぶんぶんうなる中、どう見ても12、3歳にしか見えないか細い少女たちが、ほとんど隙間なく並べられたミシンの前に座る。朝6時起床、7時就業、昼食は30分だけで、そのあと夜8時の終業までそのままの姿勢で働き続ける。手洗いに立つのは午前午後の2回と決められ、それ以上手を休めると罰金をとられる。 渋る経営者を説き伏せて従業員寮も見学する。工場の裏に立つ殺風景なコンクリートの2階建てには、ずらりとドアが並ぶ。のぞいてみると裸電球の下がる暗く長細い部屋に3段ベッドが4つ。窓にもドアにも鉄格子がはまっていて、奇妙なことに鍵が外側についている。つまり、消灯後に逃げ出したりすることがないよう、ドアに南京錠をかけてしまうのだ。 確かにその会社は日本との取り引きに慣れていて製品の質が良く、その割には仕入れ値も安く、魅力的な取り引き相手ではあったけど、どうしても心に引っかかるものがあった。契約にためらって労働条件について口にすると、経営者は表情を硬くする。中国北東部や西部辺境の貧村で生活にあえぐ農民は多い。一家の稼ぎ手として少女たちに職を世話し、賃金を仕送りさせている。読み書きも満足にできない彼女たちを放りだしたら堕ちていく先は決まっている。人助けのためにやってるようなもんだ、と胸を張る男。その手首に光る高級ブランドの腕時計に目を留めて、私はできるだけ穏やかに契約の再考を告げて席を立った。
自分の村で仕事があれば、出稼ぎで都市のスラムに暮らしたり、低賃金や劣悪な労働環境に苦しむこともなくなる。フェア・トレードによって生計が成り立つようになり、井戸を掘ったり、衛生設備を整えたり、学校を建てたりして生活基盤を築き始めた農村も多い。子供たちが学校で読み書きを覚えれば、それが地域の発展につながり、尊厳ある暮らしができる人々がさらに増えるだろう。
フェア・トレード製品を買うことは、安易な開発資金援助や寄付よりも、もっと直接的で、確実で、持続可能な支援の方法。生活必需品のすべてがフェア・トレードでまかなえれば理想的だが、現実はそこまでに至っていない。でも人を思いやり温かい気持ちで贈り物を選ぶ時こそ、その心をもっと広い世界にも分かち合いたい。理想主義だと笑われようが、小さなことから世界は変わるんだと信じていたいから。
関連サイト Updated: Oct. 2006 |
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