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Kawakami Sanso
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![]() ![]() Jim & Junko Kawakami ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
この夏、オカナガンに行こう!と決めたのは、もう6月の終わり。6泊全部キャンプにしようという夫の言葉に、食事の支度から解放されたい私は、食事付きの宿を必死で探した。インターネットで検索しても食事付きのリゾートは高くて手が出ない。やっぱりテント生活か……とあきらめかけた頃、友人が川上山荘のことを教えてくれた。 バンクーバーからオカナガン地方のサマーランドまでは420km、ハイウェイで直行すれば車で約5時間の距離。コカハラ・ハイウェイ Coquihalla Highway と呼ばれる国道5号線や、オカナガン地方を南北に走る国道97号線はよく整備されていて走りやすい。今回私たちは南回りの国道3号線を経由し、中間地点のマニングパーク Manning Park で2泊キャンプしてから、サマーランドに入った。 国道97号線から Matsu Drive に入ると、左手にカナダと日本の国旗が見える。それが川上山荘に至る私道の入口。車1台しか通れない細い道をそろそろ進むと、オカナガン湖の素晴らしいパノラマが眼下に広がる。さわやかな風が丘を吹き抜け、オカナガンの夏の暑さも一瞬にして忘れた。この景色だけでも、あー、来てよかったーという気分になる。
この丘陵地帯の高台に立つ白い家が川上山荘。満面の笑顔で迎えてくださった川上洵子さんは気さくな方で、「果樹園のモモやチェリーはいくらでも取って食べていいから」とすすめてくださった。地面に落ちている実は出荷できないので、しっかりしているのを選んで無料で持ち帰ってもいいとのこと。モモが大好物の私たちにはまさに桃源郷だ。 客室は1階で、専用の出入り口がある。その前には、ピクニックテーブルと大人6名まで入れるジャクジーがあり、24時間いつでも入浴可能。私たちが泊めていただいた部屋にはクイーンサイズのベッドが2つとシングルベッドが1つ。シャワールームには外からも入れるのでジャクジーを楽しんだあとに便利。客室は他にも2室と小さなコテージがある。私たちは荷物を置いて、さっそく果樹園の散歩に出かけた。
果樹園には、チェリー(7月)、アプリコット(7月下旬〜8月上旬)、モモ(8月上旬〜中旬)、プルーンプラム(8月下旬〜9月)、洋梨(9月)、リンゴ(9〜10月)、ブドウ(9月下旬〜10月)が季節ごとに立派な実をつける。食べ放題のフルーツピッキングもできて、収穫したものは計り売りで持ち帰れる。お目当ての果物があれば、電話でその年の収穫時期を確認してから予約を入れるといいかも。
昔から山荘には、川上さんご夫妻の人柄と美味しい自然食にひかれて泊まりに来る人が多かったらしい。それならばと家を大改築して、朝食・夕食付きの民宿として営業を始めたのが1990年。それ以来、宣伝も大してしないのに、口コミで訪れる旅行者が年中絶えない。夏の繁忙期をのぞいては、その日に受け入れるお客様はひと家族か1グループだけにしているとのこと。それも人気に秘密かな。
美味しそうなにおいが漂ってくると思ったら、ご主人のジムさんがテラスのバーベキューで、ステーキを焼いてくださっている。自家製のリンゴ酒とニンニク漬けの汁、塩、こしょうで時間をかけてマリネしたお肉で、すごくやわらかくて味に深みがあって最高に美味しい。ふだんは肉料理をあまり食べない私たちも、このステーキの旨味にはびっくり。うちの子供たちも、ちょっと食べすぎでは……と心配になるほど、おかわりの連続だった。「夕食には何が食べたいの?」と洵子さんが聞いてくださったら、ぜひお肉をリクエストすべし。 これだけでも十分ごちそうなのに、いろんなお総菜が次から次へと登場する。畑から取れたてのクレソンのおひたしは、肉料理の付け添えにぴったり。クレソンはバターで炒めてお醤油をたらりとかけて出すこともあるそう。完熟トマトは、シンプルに半分に切って軽く自然塩をかけただけ。でも、これほど味の濃いトマトにはなかなかお目にかかれない。一度これを食べたら、マーケットで買うトマトが食べられなくなるかも。 ゆでたてのトウモロコシは甘くてやわらかく、もぎたての塩もみキュウリはシャキッとしてみずみずしい。茹でただけの紅じゃがもほっこり甘くていいお味。大ぶりに切ったキャベツと鶏肉の炒め煮もぴりっと辛みがきいていて食欲をそそる。玉ねぎは輪切りにして炒めてあるだけなのに、ものすごく甘い。もちろんこれまた自家製のきゃらぶきは香りよく飴色で、とにかくご飯がすすんだ。食べるものにうるさい夫が、酒の肴に最後まで離そうとしなかったから、本当に美味しかったんだね。
ジャクジーで体が温まったせいか、とにかくぐっすり眠り、翌朝、すっきりと目が覚めた。朝食前に朝の散歩をしようと果樹園に行くと、ジムさんが出荷用のモモを吟味しながら、ひとつひとつ丁寧に箱詰めされている。これは本当にプロの仕事で、素人の私たちには手伝えない仕事だそうだ。近くには2日前に風で倒れてしまった桃の木もあった。どの木も樹齢30年になり、果樹としてはかなり古い。他の果樹園では、木が大きくなると収穫しにくくなるので、10年くらいで切り倒して新しく植え直すらしいが、川上さんのところでは手塩にかけて育てた木の命を大切にしている。そんな愛情が果物の味にも宿るのかもしれない。
おなかぺこぺこでテラスに行くと、朝食に焼きたてのブルーベリーマフィンを出してくださった。これも子供には大人気で、リンゴジュースとハムエッグも添えて、朝からたっぷり食べている。いつも朝食は大あわてで、フルーツやシリアルだけで終わらせることも多いのに、こんなによく食べる子たちだったんだと、ちょびっと反省。大人たちはご飯にお味噌汁、卵料理、野菜のお総菜など、これも朝から十分な内容。空気がよくておなかがすくのか、本当にみんなよく食べること。(私が一番食べてるって?)さて、エネルギーも満タンになったし、今日はこれから何をして遊ぼうか。 オカナガンといえばワインの名産地。大人だけならほろ酔い気分のワイナリー巡りも楽しいが、子供連れだとそればかりでは退屈してしまう。オカナガン湖まで下りれば、白砂のビーチもたくさんあるし、サマーランドや周辺の町にはアトラクションも豊富。車で南に30分の距離にあるペンティクトン Penticton の町なら、ミニゴルフやゴムのチューブでのんびり漂う運河下りも楽しめる。 川上山荘は豪華でもないし、派手なおもてなしもない。田舎の親戚のところに遊びに来たようなくつろいだ印象。刻々と表情を変える湖を眺め、心のこもったお食事をいただき、のんびり時間を過ごしたら、心も体もリフレッシュできた。次回はもっとゆっくり滞在して、オカナガンの夏を満喫しよう! <おすすめアトラクション>
オカナガン地方を代表する大規模なワイナリー。モダンな建築と高台からの眺めが素晴らしい。正午には美しい鐘の音が楽しめる。ワイナリーツアーは大人ひとり5ドルで、ワイン3種類の試飲付き。子供は無料で、美味しいリンゴジュースを出してくれる。旅のスケジュールがつまっている時には、ツアーの時間を指定して予約した方がいい。
ミッションヒルのすぐそばにある小規模なワイナリー。ワイン好きの夫によると、ワインを買うならこちらのほうが断然おすすめだとか。数々の栄誉ある賞にも輝いている。ツアーに参加する時間がなければ、古いログキャビンを改造したワインショップ内で有料の試飲だけでも楽しめる。アイスワインは小さなチョコレートのカップに入って一杯3ドル。確かにそれだけの値打ちがある芳醇な味。併設のレストランもおすすめ。とても人気があるので、夏の繁忙期には予約要。
1910年頃に敷設された森林伐採用の線路を1925年製の蒸気機関車が勇壮に走る。客車は1950年代のレトロな雰囲気で、暑い日には屋根だけの展望車も涼しい。約10キロの道のりを2時間かけてゆっくり往復しながら、この地方の鉄道の歴史を紹介したり、バンジョーの軽快な生演奏があったりで飽きさせない。子供たちには車窓の風景からアイテムを探すビンゴゲームが人気。1日2回だけの運行なので、がっかりしたくなければ予約を入れた方が無難。車内には売店はあるが洗面所がないので、乗車前に済ませておくこと。 Updated: Oct. 2006 |
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