頭と体を目覚めさせる朝ごはん
日本人ならごはんにお味噌汁、イギリス人ならオートミールに果物、中国人なら朝がゆと、たいていどこの国の朝ごはんも、デンプン質があって、水分があって、温かいものが中心。朝ごはんには、消化が早く、栄養が吸収されやすい食べ物を選びましょう。寝ている間にも汗をかくので、水分補給も大切です。
果物や穀物などに含まれるデンプン質は、腸内でブドウ糖に分解されてから吸収されます。脳のエネルギー源は、ビタミンでもタンパク質でもなく、ブドウ糖だけ。脳は昼夜問わず活動し続けるため、多くのエネルギーを消費しています。私たちが寝ている間は脳に栄養が供給されないので、朝ごはんに果物や穀物を食べて、飢餓状態の脳にブドウ糖を与える必要があるのです。朝食を抜くとエネルギー不足で脳が活動できなくなり集中力が落ちます。実際に、朝食をとっている子供と抜いている子供の間では、成績にはっきりと差が出るとか。
果糖と水分をいっぺんにとれるジュースもいいのですが、冷たいものは消化が悪く、栄養も十分吸収されずに排泄されてしまいます。ジュースや果物は冷蔵庫から出して、少なくとも30分は室温に置き、冷えを取ってから飲んだり食べたりしましょう。
では、バターたっぷりのトーストに、目玉焼き、ハム、ベーコンの朝食ならどうなるか。果物やおかゆの消化時間は約1時間ですが、タンパク質や脂質の多い食品は、約4時間以上胃に滞留します。中でもバターは脂そのものなので12時間も胃に残るのです。その間、消化活動のために胃にはたくさんの血液が集まり、脳の血液が足りなくなるためどうしても眠くなってしまいます。
また、高カロリーの脂質は消化だけではなく吸収にも時間がかかます。一度にたくさん食べると、胃で消化が終わっても全部を分解・吸収しきれないと小腸が判断したら、胃の働きを止めるホルモンが出て、消化物が腸に送り込まれなくなります。これが胃もたれの原因です。朝から胃がどんより重くなるのは不快ですよね。
シリアルにたっぷりかかった砂糖ももちろんブドウ糖になりますが、精製された白砂糖は消化・吸収が異常に早く、血糖値を急激に上げます。そのため、突然ブドウ糖が大量に送り込まれて、脳が興奮状態になり、瞬発的に活動を始めます。でもそのエネルギーはすぐに消費されてしまうため、今度は血糖値が急激に下がり、甘いものがまたほしくなり、得られないときには疲れやイライラの原因に。シリアルを食べるなら、あまり甘くなく雑穀がたくさん入ったものを選びましょう。果物やおかゆ、オートミールは、血糖値の爆発的な上昇を招かず、下がるときも緩やか。また、昼食までには消化されるので、お昼にはちゃんとおなかがすいてくれます。
朝食は脳に栄養を、体に水分を補給するために食べるもの。フルーツやおかゆの朝食なら1時間ほどで消化・吸収され、脳も目覚め、仕事や勉強がはかどります。また、腸も刺激されるので、排泄が促されます。これで頭すっきり、体すっきり、快く一日が始められますね。
|
元気に活動するための昼ごはん
午後の活動を活発にするため、昼食には良質のタンパク質を含む肉類や大豆製品、ビタミン豊富な緑黄色野菜など栄養価の高いものをしっかり食べましょう。ただし、食後に知的活動をする予定があるなら、やはり消化しやすいもの選ぶこと。タンパク質は加熱すると固くなり胃の負担になるので、揚げもの、炒めものよりは、油を使わず煮たり蒸したり茹でたりしたものがおすすめ。カロリーも少なめなので、ダイエットにも効果的。ただしざるそばやラーメンだけでは、一日に食べるべき食品数が少なくなるので、必ず野菜類のおかずも添えて。
胃の大切な働きは、食べ物を消化して小腸へ送り出すこと。胃の機能が低下する最大の原因は、食習慣の乱れです。忙しいからといって食事を抜いたり早食いしたり、勢い余って食べ過ぎるのは厳禁。食べる量は控えめに、毎日3食、決まった時間に規則正しくとりましょう。 消化には十分な血流が必要なので、食後30分〜1時間は静かにしていることも大切。ただし、食後に昼寝すると胃の働きが止まってしまい、未消化物が胃の負担になるので、横にはならないこと。「胃は万病のもと」といいます。十分にいたわってあげてください。
甘いものは3時までを心がけて。それ以降は摂取したカロリーが十分に消費されないので、太る原因になります。また、アイスクリームは溶けるので消化しやすいと思われがちですが、脂肪分が多く冷たいために、胃には4時間近く滞留します。食べるならシャーベットのほうが無難。夕食を美味しくいただくためにも、おやつは早めに控えめに。
|
栄養の吸収をうながす晩ごはん
起きている時に消化・吸収された栄養素を体が実際に使うのは夜、和達したちが眠っている間だけ。包丁で切った傷も、吹き出物も、日焼けも、ストレスや化学物質で傷んだ脳や臓器も、睡眠中に修復されます。寝る子は育つというのは、夜寝ている時に栄養が体に蓄えられるから。だから夕食はやわらかく炊いた玄米、野菜、豆腐、納豆、海藻、芋類といった消化・吸収のいいものを選びましょう。翌日の便通を考えて、白キクラゲやヒジキ、コンニャクなど食物繊維の豊富な食品をとるのもいいですね。
でも、どうしても魚や肉が食べたい時は? その場合は、ささみやヒレ肉など脂肪分の少ない部位を選び、できるだけ脂を落とすような調理法で。ステーキや炒めものではなく、しゃぶしゃぶやあぶり焼き、煮物がおすすめ。
消化酵素が含まれるものを一緒に食べるのも効果的。大根おろし、アルファルファなどの発芽野菜、かぶの浅漬け、キャベツの千切り、山芋がいいですね。パイナップルやパパイヤなどの果物にも消化酵素は含まれています。サンマに大根おろし、刺身に大根のつま、ポークステーキにパイナップル、トンカツにキャベツの千切りはとても理にかなっています。酵素は加熱すると分解されてしまうので、どれも生で食べましょう。大根おろしの酵素は時間がたつと効果がなくなるので、食べる直前に食卓でおろすこと。
味噌はタンパク質やカルシウム、カリウムなどの栄養が豊富な食品。特に味噌のような発酵食品のタンパク質はアミノ酸に分解されているので消化がよく、必須アミノ酸の含有量も卵に匹敵するほど優秀です。コレステロール値を低下させ、血圧を下げる働きもあるので、一日一回は食べたいもの。みそ汁だけでなく、味噌煮や味噌炒め、味噌田楽など、メニューを工夫して積極的にとりましょう。
食後のデザートに果物は禁物。先に食べたものが消化されるまで胃に滞留することになり、発酵・腐敗して、結果的に血液を汚します。果物は朝一番かおなかが鳴るくらいの空腹時、または夕食後3時間以上たって小腹がすいたときに少量食べるよう心がけてください。
夜になって、眠りに導いてくれる神経は「副交感神経」、満腹だと「交感神経」に支配されて寝付きが悪くなります。 そこで大切なのが、晩ごはんを食べる時間。就寝時間の最低3時間前には夕食を終えておきたいですね。肉類など消化の悪いものを食べるときは夕食時間を早めにして胃を軽くしておくと、ぐっすり眠れて翌朝もすっきり目覚められます。 |